【ご報告】「第40回市民動物園会議」 に出席しました

円山動物園で3月24日(水)、札幌市が設置している「市民動物園会議」に委員としてRCEHCから事務局長が出席しましたので、その内容について簡単にご報告いたします。
市民動物園会議@円山動物園

議題は以下の通り。
<議題>
1 動物園条例の検討状況について
2 令和3年度円山動物園予算について
3 円山動物園70周年記念事業について
4 円山動物園駐車場について
5 新着・出産・転出等動物について 
6 その他
 円山動物園における入園整理券予約システムの導入について

「1 動物園条例の検討状況について」について。
札幌市では「札幌市動物園条例」の策定を全国の市町村に先駆けて進めているところです。昨年末には札幌市に対して「市民動物園会議」から同条例に対する提言書を提出しました。現在、提言内容を踏まえて市役所内部で条例案の作成を協議中とのことすが、提言内容から主な変更点が6か所あるとの説明がありました。

<主な変更点>
①登録制度
②動物園等の定義
③動物福祉に係る規定内容
④円山動物園の動物福祉委員会の位置づけ
⑤動物の展示及び教育活動の原則(野生動物とのふれあい・擬人化)
⑥人材の確保及び人材の育成

この中で最も議論になったのは、①の登録制度(※1)について。
登録制度についてを条文の中に書き込むことを提言していたのですが、「市の事業の運用状況を検討しながら、登録制度の条例化の必要性や規定する登録案件を検討していく」とされ、登録については条例に書き込まない方向で進めたいとの説明がありました。
委員からは、今回の条例の肝である「登録」は円山動物園が特に重要視する「動物福祉」を札幌市全体として進めていくために欠かせないものではないかという趣旨の意見が複数出されました。円山動物園としては「登録制度」の設置を諦めたわけではなく、条例化はしないものの「登録制度」の趣旨を踏まえた制度を作っていきたいということでした。
登録制度は、一定水準の動物福祉が確保された施設であることを証明するものであり、動物福祉を進めるために効果的な制度であると考えます。登録制度の設置について、今後も皆さんに広く注視していただければと思います。

この他、主に以下の点について意見や質問を出させていただきました。
・「⑤動物の展示及び教育活動の原則(野生動物とのふれあい・擬人化)」について、「行ってはならないこと」など、その内容が一見して分かりやすく伝える工夫(文章だけでなく写真や図解なども利用するなど)をすることが必要。
 →円山動物園:条例の内容を解説する概要版などを作成予定

・今年70周年を迎える円山動物園では、様々な記念事業が行われるが、コロナ禍での外出自粛によって入園料の収入が落ち込んでいることもあり、寄附(※2)を募る取り組みを進めてはどうか(太田委員より発案)との意見がありました。この意見を受け、「ふるさと納税」による寄付が今年度は増えたということもあり、全国にいらっしゃる「円山動物園」に子どもの頃通った人たちにも応援していただくようなPRがあるといいのでは。
 →円山動物園:そういったアプローチもしていきたい

・「5 新着・出産・転出等動物について」、死亡した動物の中で雌雄が不明確なものが結構あるが、これは雌雄を確定することが必要ではないか。
つまり、円山動物園では種の保全の観点からも「生息域外保全」に力を入れるとしているため、死亡個体の死亡原因、雌雄などの個体の特性について明らかにすることは欠かせないのではないか。
 →円山動物園:死亡した動物については、解剖などにより死亡原因や個体に関わる情報を得るよう努力している。動物園だけでは扱えないものについては、大学などの研究機関と協力している。

円山動物園では、「市民動物園会議」の設置、「動物園条例」の制定など、国内の動物園等においては先進的な取り組みをしています。新しいことをどこにも先駆けて実施するのは、手探りなことも多く、大変な苦労を伴うものです。札幌市を暮らしやすいまちにするためにも、こういった市の取り組みを応援する意味でも、さらには世界のモデルとなるようなまちになるためにも、皆さんの関心、関りを持っていただけると嬉しいです。

会議結果の詳細(配布資料、議事録など)は、後日、札幌市のHPで報告されます。以下のページをチェックしていただき、ご覧いただければと思います。

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◆市民動物園会議:札幌市
https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/shimindoubutuenkaigi/index.html

※1 登録制度とは:
条例の目的である動物園等の生物多様性の保全の取組を推進するため、条例に任意の登録制度を設け、登録された動物園等の実施する保全措置を市が支援する仕組みのこと。市が要件を満たし登録に値する施設を「登録動物園等」と呼称し、支援を行い、条例が目指す生物多様性の保全に向けた実効性(実現可能性と持続可能性)は高めることを狙いとしています。

※2 円山動物園への寄付方法
・円山動物園への寄付 https://www.city.sapporo.jp/zoo/01sougouannai/animalsappoters/donation/index.html
応援してくださる企業や団体、個人の皆様からのご寄付は、動物たちのえさ代等、動物園の運営、イベント協賛費等に活用させていただきます。

・札幌市への寄付(ふるさと納税) https://www.city.sapporo.jp/somu/kifu/annai/
札幌在住の方はもちろん、以前札幌に住んでいた方、札幌が好きな方など、「札幌ファン」の皆様からの寄付をお待ちしております。
(寄付先の分野として「円山動物園の運営」を選んでいただけます)

・amazon ほしいものリスト https://www.city.sapporo.jp/zoo/01sougouannai/animalsappoters/amazonhoshiimonolist/2020gaiyou.html
「amazonほしい物リスト」を活用し、動物園が今まさに必要としており、寄付募集をしてから、すぐに動物や動物園のために使うことのできる物品の寄付を募集させていただいております。

・さっぽろ円山動物園サポートクラブ https://www.city.sapporo.jp/zoo/supportclub.html#kihu
円山動物園を応援する団体「さっぽろ円山動物園サポートクラブ」(通称 サポクラ)への寄付です。集まったお金は、動物たちの住むところに木を植えたり、スペシャルなエサを買うためなど、みなさんの目にわかる形で使います。

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