ビジョンと目的

RCE北海道道央圏のビジョン

「北海道」と命名後の激動の歴史と開発を踏まえ、

今後100年にわたり持続可能な地域社会を実現することを目指します

注釈:
本協議会は当初、「北海道の開拓の歴史150年を振り返り、歴史から学ぶとともに、今後の100年を見すえた持続可能な地域社会を実現する」をビジョンに掲げて進み始めました。しかしながら、過去と未来の時間的スケールや「開拓」という言葉が持つ意味を再考すべきという声が多く上がり、改めて意見を交わし、新しいビジョンを作り上げました。
なぜ、命名後の北海道の歴史と開発から学ぼうとするのか。「北海道」と命名されたのは1869年のことです。江戸幕府から明治政府に大きく時代が転換する中、北海道には開拓使が置かれ、急速に様々なものを変えていきました。これまでの過程は、必ずしも持続可能なものばかりではありませんでした。過去の持続不可能な出来事に正面から向き合い、学ぶことで、現在の社会が抱える様々な課題を解決する糸口を見つけることができると考えます。
本協議会は、多様な人々が互いに「教育」し合うことで知的および精神的連帯を社会に築き、自然環境や多様な人々との間に新たな関係を構築することで、今後100年にわたる持続可能な地域社会の実現に寄与していきます。

このビジョンのもと、関係者が道央圏らしい持続可能な社会のありさまやESDの知見を集積や共有する機会を提供します。さらに、持続可能な社会づくりのための様々なプログラムを実施していきます。そして、道央圏を世界から人々が我々の実践を学びにやって来るような地域にしていくことです。
RCE北海道 道央圏が目指す、100年後の持続可能な社会の特徴を次に掲げます。

1. 100万都市と共存する自然豊かな環境:
(1) 100万都市と豊かな自然が共存する、国立公園の特長を活かした環境
(2) 野生動物とほどよい距離感を保つのに十分な緩衝地帯がある環境
(3) 自然を活かした防災機能をもつ環境
(4) 身近に自然を感じる空間(水辺、緑の散策路、自転車・馬車専用道等)がある環境
(5) 自然の価値を知っていて、自然と人がともに暮らすことを最良とする市民が住む環境

2. 人権を尊重し、人の多様性を受け入れる多文化社会:
(1) 立場、出自、信条、性等の別に関わらず、選択できる自由と責任がある社会
(2) 多様な人々が合意形成を重視する社会
(3) 歴史的な負の側面も直視し、常に学び合う創造的な社会
(4) 世界の地域の人々と積極的かつ直接的に交流し、世界の一員であることを認識している社会

3. 資源が循環し、生命と人間性を尊重する経済:
(1) 他の圏域と連携し、道央圏に適した規模の持続可能な経済
(2) 地球全体をみて、他の地域経済を疲弊させない経済
(3) 働く人々を幸せにし、地域の人々に尊敬される企業が活躍する経済
(4) 再生可能エネルギーによるエネルギーが自給自足する経済
(5) 食料を地産地消する経済
(6) 道央圏の魅力ある質の高い生産物、サービス、観光などを提供する経済
(7) 多くの長期滞在・二地域居住者が暮らすことによる道央圏内で資本循環を伴う経済

 

RCE北海道 道央圏の短期的目標 【RCE北海道道央圏 行動計画2017-2019】

1.RCE北海道道央圏 行動計画2017-2019の目指すもの
ESD では「地域づくりへと発展する取組」「多様な場・主体による実施」「多様なテーマの統合的アプローチ」「参加・体験型の学び」「社会に参画する力の育成」「多様な主体の連携」等が重視されています。
本行動計画では、ESDの視点を重視し、道央圏が持つ知見を持ち寄り、分野や立場を超えて話し合い、協働で、道央圏らしい様々な教育プロジェクトを実施していきます。これらの取り組みを通して、持続可能な世界の実現に貢献していきます。

2.めざすべき姿(実現したい未来像)
本行動計画の取組みにより、下記の実現を目指します。
(1) 持続可能な社会づくりの必要性について、高等教育機関、企業、市民団体、行政等の様々なセクターの関係者が理解し、それぞれの役割を担った行動をしている

(2) RCEの関係者が各々の取り組みについてSDGsの関連項目を意識し、SDGsへの貢献も視野に入れた協働が進められている

(3) ESD の視点を持つ人材育成を目指し、地域連携、高大接続などによって道央圏らしいESD プログラムを作成、試行している

(4) 国内外の RCE や関連団体とのジョイントプログラムが継続的に行われている